ポラロイドカメラ修理日誌 vol.02:カプラー割れ

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on and on のカメラ修理担当のseijiです。前回の「光センサー不良」のブログ、多くの皆さんに見ていただきまして、ありがとうございました。今回も、当店の修理で多い『カプラー割れ修理」について
紹介していきます。

SX-70が、完全に折りたためなくなってしまった・・・

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早速ですが、上の写真は、SX-70本体が完全に折りたためないようになっています。ファインダーを覗いても真っ暗、フィルムを入れてもモーター音はするけど、写真を撮ることができない。このような症状の場合は、SX-70内の「カプラー」とよばれるパーツが破損している可能性があります。カプラーが破損している場合「カプラー割れ」の修理を行います。

カプラーって?

正式名称は「カップリングアダプター」というパーツで、モーターの動力をギアに伝えるプラスチックのパーツです。SX-70の中でも、First Model、MODEL2、MODEL3に、このパーツが使われていますが、ALPHAタイプ以降に発売されているカメラ(SONAR・SLR680)には使われておりません。恐らく発売されている当時から、カプラー割れによる不具合が多くて、ALPHAタイプより改良されたんだと思います。

なぜカメラが折りたためなくなるのか?

SX-70は、通常シャッターを押すと、カメラ内のミラーが上下に動きます。しかし、ミラーが動いている途中でカプラーが割れてしまうと、下の写真のようにカメラ内でミラーが途中で止まってしまいます。折りたたもうとすると内側でミラーがひっかかってしまうため、折りたたむことができなくなります。
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この状態になっている場合は、絶対に無理に折りたたもうとはしないでください。無理に力を加えると、内側のミラーが割れてしまい、カメラ内がミラーの破片であちこち傷をつけてしまいます。修理に出される場合は必ず、折りたたまずカメラを立ち上げた状態で持って行ってください。

カプラー割れの修理について

それでは、カプラー割れで修理に来られたお客様のSX-70で説明していきます。

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カプラー割れ修理を行う場合は、必ずボトムレザーを剥がさなければなりません。First Modelの純正の本革ですと、写真のようにきれいに剥がして貼りなおすことができます。しかし、合皮やお客様で貼り替えを行った場合は貼り直しができませんのでご注意ください。

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さらにボトムカバーを外すと、修理必要な箇所が出てきます。このボトムレザーを外す修理は、カプラー割れだけでなくモーターの交換などでも必要になってくる行程ですので、レザー貼替の前には、総合点検をオススメしております。もちろん当店でレザーを貼替する場合は、総合点検も行っておりますのでご安心ください。

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上の写真の真ん中にあるの金色のパーツがモーターです。このモーターの動力でカメラの内側のミラーが動いたり、フィルムを排出させたりしています。モーターの動力を伝えるカプラーが割れてしまうとモーターだけが空回りしてしまうので、この部分の修理を行います。

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修理を行い、再度組み上げて動作確認をします。問題なく修理が完了していれば、真っ暗だったファインダーも像が見えるようになっています。当店では、カプラー割れの再発が起きないように処理しておりますので、安心してお使いいただけます。弊社で販売していますSX-70では「オーバーホール済み」と記載されているカメラは、このカプラー割れがおきないように全て処置を施しておりますので、購入の参考にしてください。

カプラー割れの修理は、¥9,000(税抜)で承っております。SX-70が折りたためなくなった場合に、無理に閉めようとしてミラーを破損してしまうとさらに費用がかかりますので、ご注意ください。当店では、修理を行う場合は、全体的な清掃、調整も同時に行い、総合的にも点検し他に不具合がないのかの確認も行っております。

以上、簡単ではありますが、カプラー割れ修理について書かせて頂きました。次回からは、修理以外のSX-70についても少しずつ書いていこうと思いますので、何かSX-70について知りたいこと、質問などありましたら、TwitterやFacebookなどでお気軽に質問してください。それでは次回をお楽しみに、ひきつづき当店をよろしくお願いします。